さて、この「混声合唱」のカテゴリーでは金賞が6団体だった。結果を見て「なるほどなぁ」という気持ちがした。最近は審査員の評価と自分の耳で感じた印象がかなり一致するようになってきた。注目(その1)は雨森文也指揮の "Cantus Animae" (表記は私流にさせていただく。大文字の連続はちょっと…) 登録56名、男女バラバラに入り乱れて… だったよね? たしか、少なくとも自由曲は。課題曲は室内合唱の「まい」と違って G4 の『雪』、もちろんピアノは平林知子。演奏には情感がこもっていたね。自由曲は寺山修司詩・三善晃曲の「混声合唱と二台のピアノのための 歌集『田園に死す』」。雨森さんは寺山修司が好きなんだ… そしてこの合唱団はみんな歌える人で表現が豊か、音楽が大きいと言うんだろうか? 結果は金賞3位だった。
(その2)"Chœur Chêne" は50名で登場。きっちりとした、しかものびやかな G1 "Ave Maria" つづいて Robert Schumann の『4つの二重合唱曲』から2曲。上西一郎氏のつくる合唱音楽は端正だねぇ。聴いていて背筋が伸びる。まぁ、纏まりすぎといえば、そう言えなくもないが… 「美しい」。審査結果はばっちり金賞だが、3位までには入らなかった。
(その3)「鶴岡土曜会混声合唱団」も端正な演奏でした。G1 "Ave Maria" と谷川俊太郎詩・三善晃曲の『宇宙への手紙』から… この詩人、作曲家はコンクールで人気だなぁ。ここも金賞獲得。
(その4)ヴォーカルアンサンブル«EST» : おかえりなさい、という感じだろうか? ここの演奏もコンクールで聴いておきたい。G2 シベリウス曲をさらっと… そして今年のコンクールでおそらく唯一のフランス語曲 André Jolivet 作詞作曲の "Oubrons les Portes de l'Amor(愛の扉を開こう)" いい感じだね。"Chœur Chêne" より上に行くかと思っていたら、やっぱり金賞2位でした。上西一郎さん、プーランクの世俗曲とかフランスものをやってくれないかなぁ…
(その5)"Conbinir di Corista" (コンビニ)は常連で去年の王者。35名で音楽レベルが高く安定している。日本語曲 G4 と初めて聴く英語曲 Paul Crabtree の "Journey" と(室内合唱の部の記事でも紹介した)エリクス・エセンヴァルズの宗教曲 "Nunc dimittis" 。「うまいなぁ…」拍手もこの日の最大級だった。余裕の金賞1位で来年もシード出演。
千葉県の "Voce Armonia" (28名)も金賞を獲得したが、自由曲の "What was Hell like?" とか "De profundis" は聴いていて重い。音楽性はともかく、長時間コンクール演奏を聴いている耳にはちょっとつらかったです。次の北海道 "Baum" でほっこり(審査結果は銅賞)。最後の「岡崎混声合唱団」は「相変わらず頑張ってますね」という印象でした。締めは高田敏子・三善晃の『五つの童画』から2曲。銀賞の熱演でコンクールも終了。
終演が午後7時になって、夕食のためいそいそと退出。京阪三条駅そばの焼き鳥屋でM君と一緒に一杯やったのですが、音楽で胸いっぱいになっていたこともあってか、お酒もそんなに進みませんでした。
最近のコメント