先日から書こうと思っていたことを書き遺しておこうと思う。
昨日書いた「レディース・コーラス・フェスティバル」の開催については事務局に苦情などが届いたそうだ。近畿2府4県のうち、津波の心配があった和歌山県の複数の団体が出場を取りやめたとのこと。しかし大多数の約130団体が二日間にわたって出場した。合唱を志す我々は楽しい歌は楽しく、悲しい歌は悲しく歌うことで自分たちの芸術を表現する。この日のためにみんな猛練習をしたのであろう。(我々もそれなりの練習をしてステージに臨んだ。) 立派な演奏をたくさん聴かせてもらった。ただ、たしか戦争の惨状を扱った外山雄三の曲は「とても歌えない」と割愛した合唱団があった。
ステージの司会進行役が繰り返し「我々が集まってここで歌えることに感謝し、被災者の方々のために我々のできることをしよう」と訴え、ロビーに置かれた箱には合唱関係者の「善意」といっていいのだろうか、義援金が(翌日の報道によれば)100万円以上集まったとのことである。僕も僅かながら気持ちをお金に換えて募金箱に入れさせてもらった。
二日目の日曜日はフェスティバル会場に行く前に、朝から西の京の薬師寺に向かった。電車に乗ると再建された西塔も近くに見えるのだが、訪れるのは30年ぶりぐらいかなぁ。ともかく、震災の惨状をTVで見たあとは、何かに祈らないと心が落ち着かない気がしたのだ。その車中でのこと、制服を着た女子高生が向かい側の席で携帯電話で喋り続けている。何か緊急の用件であるらしい。「今そちらに向かっている」というので試験にでも遅れそうなのかと思っていると、「行基さん」というのが聴きとれた。そして、「許可を取るために朝から警察と2時間もやりとりしていた」というのである。「行基さん」というのは近鉄奈良駅前にある噴水広場のことで、どうやら街頭で義援金を集める活動をするようだ。彼女の横には段ボール紙の入った紙袋が置いてあった。
翌日の新聞を見るとN高校の卒業式を終えた3年生が近鉄奈良駅などで募金活動をしたとあった。そして、そのきっかけはU高校生(僕もその卒業生)が土曜日に近鉄八木駅で募金活動をしたことだったそうだ。近頃の若者も捨てたものではない、と嬉しくなった。
会社でもその週に募金をしたところ、350名程度の事業所で26万円ほど集まり、共同募金会に寄託した。高い給料をもらっている人ばかりではないのに、と心を動かされた。あとは、噂などに惑わされて買いだめに走ったりしないようにと思う次第である。
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