雪はまだ降ったり止んだりで、空はどんよりとしている。大晦日らしいといえばそうなのだが、大掃除にはどうなんだか?というお天気である。まぁ適当に済まそう、というつもりでいる。
ところで、年末で思い浮かべる音楽は何と言ってもベートーベンの「第九」=交響曲第9番ニ短調(作品125)「合唱付」であろう。前に触れたように、クリスマス・シーズンにヘンデルの「メサイア」なんて曲があるが、日本人にとってはやはり「第九」。何を隠そう、大学時代にグリークラブで男声合唱をやっていた僕が混声合唱団に入るきっかけとなったのはこの「第九」。
大阪市内の会社勤めとなって奈良県K市の実家から通い始めた最初の夏、友人と飲み会をしたときだったか?駅前で「第九」団員募集のチラシを配っていたのだ。大学時代にグリークラブのアルバイトみたいな感覚で大フィルの「第九演奏会」に応援出場したことが何度かあり、2~3回練習すれば本番で歌えるさ、ほどの自信があった。R音傘下の「フロイデ合唱団」で、オケは京都交響楽団だったと思う。若き日のコバケン(小林研一郎)の指揮で歌ったこともある。Nフロイデ合唱団は秋から第九の練習を始め、12月に第九演奏会をやった後、日本の合唱組曲などを練習して、夏頃にリサイタルを開くことをその当時(=30年ほど前)は常としていた。僕も練習日の土曜の夜はヒマだったので、せっせと練習に通い、練習後のファミレスでの雑談会や休日のハイキングなどを楽しんだ。20歳代の若い独身男女が多かったのだ。そして自然とカップルが生まれることになり、僕も何組目かの「団内結婚」をすることになった。
どうでもいい話が長くなったが、昨日インターネットラジオを聴いていたら、シアトルのKing-FMでもシアトル交響楽団の第九演奏会を(録音だろうが)流していた。そして日本でもN響の演奏会をETVが「紅白」の裏でやる(FMの実況生放送は今月22日にコーラスの練習に遅刻して行く車中で一部聴いた)。ヨーロッパでも年末に「第九」をやるのか? 手元にあるバーンスタイン指揮のライブ録音CDは「ベルリンの壁」崩壊直後の1989年12月25日(クリスマス!)の演奏会である。この演奏では"Freude("歓喜)というところを"Freiheit"(自由)と言い換えている。まさに東西冷戦終結の時代を反映している。テンポのゆったりした雄大な演奏だ。確かEU(ヨーロッパ連合)の国歌?はベートーベンのこの「歓喜に寄す」のメロディーを使っているのではなかったか? クルト・マズアの指揮する演奏会のヴィデオも持っていたのだが、確かこの頃のものだ。
他の録音では小澤征爾がずいぶん若い頃のニュー・フィルハーモニア管弦楽団&アンブロンジアン・シンガーズとのCDを持っている。そして確かダニエル・バレンボイム指揮のベートーベンのデスマスクをジャケットに使ったCDも持っていたはずなのだが現在行方不明だ。
さて、まだ年が変わるまでにはしばらく時間がある。拭き掃除もするつもりだが、余った時間でもう一度「第九」を聴いてみるのも一興かもしれないと思っている。
それでは皆様、どうか良いお年をお迎えください!
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