(演奏会前半から続く)
休憩後の後半は水本誠の「いのり」という曲から始まった。単純な旋律の繰り返しだが、だからこそ「祈り」の気持ちが心に響く、とピアニストも云っていた。そしてドビュッシーの「水の反映」と「月の光」。合唱でドビュッシーの作品を取り上げたことがあるのだが、色合いというか、エスプリというか、独特の響きを感じさせる。「月の光」は僕がクラシック音楽をほとんど知らない頃、TVで夜遅い時間帯にワイセンベルクが弾くCFが流れた。たしかSUNTORY "Reserve"のCMだったと思う。素敵なピアノの音色だと思った。モーツァルトのピアノ協奏曲とかを聴く前だなぁ…
さらに演奏曲はモーツアルトの「幻想曲 ニ短調 K.397」、ベートーベンの「月光ソナタ」と続き、コンサートはクライマックス。力強いピアノの響きがホールに満ちた。連れのM君も満足したようだが、わざわざ会社を休んで聴きに来た甲斐があった、と思う素敵な演奏会だった。アンコール曲は「アンダンテ・スピナート」を予定していたが、ドビュッシーの「月の光」が「本演奏で不満足だったので、もう一度」と演奏された。
演奏会の進行は出演者自身がステージ上でマイクを取り、曲目解説や演奏会の趣旨説明などをすることになっているようだ。島崎さんも最初は緊張されていたようだが、次第に地元開催ということもあり雰囲気に慣れてきたのか、リラックスして話しているようだった、僕が聴くと「やっぱり奈良の女の人やなぁ」と感じる。何とはなしに素朴な優しさが染み出ているのだ。他の人でいうと映画監督の河瀬直美さんとか、『前髪切りすぎた』の三戸なつめちゃん、ちょっと南の方の出身だが女優の尾野真千子さんとか…
とにかく今後もピアニスト島崎央子さんを応援したいと思います。演奏が終わってから出口近くで「お客さん一人一人に握手したい」という姿勢も素晴らしい。当然、僕も握手していただきました。そして、この演奏会に来るきっかけになった六甲男声合唱団のメンバーKさん(35年前から知っている)にも会えました!! 世の中、なんとも不思議な縁でつながっていますね。
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