9月10日、田中彩子のソプラノ・リサイタルは午後4時前に終了した。この日は京都市内でコーラスの練習が6時過ぎからあり、事前にインターネットで乗車時刻を調べていたのだが、かなり時間に余裕がある。さりとて、一緒に聴きに来た妻とホテル・ニューオータニでお茶というのも「アレ」なので、いずみホールの前で別れ、とりあえず歩いて京橋駅方面に向かった。途中はOBP=大阪ビジネスパークと呼ばれるビル群があり、JR/京阪の京橋駅へは高架の連絡通路でつながっている。
これらのビルのうちのひとつ(ふたつというべきか?)に「TWIN21」がある。二つの高層ビルをつなぐ「アトリウム」では催し物が行われることが多く、この日も立ち寄ってみると古本市が行われていた。書棚がずらりと何列も並んでいる。暇つぶしに一番手目のコーナーを覗いてみると、文庫本で「地図で読む『古事記』『日本書紀』」というのがあり、売価250円也。さらにディズニー作品を絵葉書の本にしたようなのがあり、新品同様のものが1000円→400円。このうちクラシック音楽を取り上げた映画『ファンタジア』を購入。これだけにしておけばよかったものの…
まだまだ練習に間に合う電車には30分ほど余裕があるので、近くの棚を覗いていると海老沢敏氏のモーツァルト関連本に行き当たった。まずは『モーツァルトは宇宙~続 私のモーツァルト・クロニクル~ 』。初版本で状態が良く、値段は半額以下。今まで読んだことがなかったのだが、面白そうなので調子に乗ってシリーズを何冊か買ってしまった。合計4冊で約4千円。
もう1冊『モーツァルト 心の軌跡』井上和雄著、というのが目に入った。ん? 副題が『弦楽四重奏が語るその生涯』で1987年刊行、同年の「サントリー学芸賞」受賞作品。あの「井上さん」だ、と確信を得た。僕がかつて在籍していた「六甲男声合唱団」の指揮者だ。当時の神戸商船大学の教授で、絵も描くし、弦楽合奏もやると聞いていた。本には汚れがあったが500円の値段がついていた。ここで出会ったら買わないわけにはゆくまい、と少し考えた後で手に取ってレジへ… お会計はトータル7冊で5130円也。白ビニールのレジ袋に入れてもらったが、かなり重いのでおネエさんに訴え二重にしてもらった。
田中彩子のCDもフォトエッセイも買わなかったが、とんだ古本のまとめ買いをしてしまった。まぁ、これもご縁ということで、時間ができたときに読むための仕込みだ、と考えよう。文庫本などを楽譜の入ったかばんに入れ、残りの単行本の入った重いレジ袋を持って京橋駅に向かう。予定より一本早い京阪特急に乗って三条まで、そして地下鉄に乗り換え練習場に向かったのだった。(続編はもう少し本を読んでから…)
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