おとといの夜、また「華麗なるギャツビー」のヴィデオを見た(ただし途中まで)。今回は注意して聴いていたら、ギャツビーが発する語尾の "old sport"が聴きとれた。強く発音しないので、字幕を追っていたら(むろん訳されていないし)気付かないのも無理はない…
さて、小川高義の新訳を通読した。自然と読み流せる文体であるが、僕には村上春樹訳の方がしっくりとくる。野崎孝の翻訳は原文と見比べながらところどころしか読んでいないが、時代が古い~初版は1957年というから僕の生まれる前だ~せいもあろう、やや読みにくい。原文のペーパーバックはあちこち行ったり来たりしながらとりあえず全文を読み終えた。前に書いたようにそんなに難しい英語ではない。う~ん、最初のページはちょっと難解っぽいが… 通して読むとシンプルで美しい文章のように思える。第7章は物語のヤマであるが、会話調でぐんぐん引っ張ってゆく…(素人ながらそのように感じた) 村上春樹も高校時代から始まって折に触れ何度も読み返したのであろう。 何度も読めばそれなりにすんなり体に染み込んでくる文章である。春樹がこれを読んで小説家になろうという気になったというのもうなずける。
最後の文章が素敵だ。
So we beat on, boats against the current, bourne back ceaselessly into the past.
だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように。絶え間なく過去へと押し戻されながらも。(村上訳)
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