3月に(3.11の頃)ネット記事で角田光代による新現代語訳『源氏物語』のことを知った。これまで『源氏物語』は何度となく端折って読んだことがあるのだが、じっくり読み通した記憶がない。さてと、会社近くの公立図書館で(上巻が貸し出し中だったので)「玉鬘」から始まる中巻を借り、予約待ちしたりでなんとか上中下3巻を読み通した。この角田訳はまことに「現代語」訳で、すっきりしたドライな印象を受けた。敢えて言えば、僕の好きな村上春樹風のタッチ。情緒に欠ける、といえばそうとも言える。
「桐壺」から始まる最初の方はなんとなくストーリーが頭に残っていたが、「玉鬘」の物語も味わい深いですね。下巻に収められた「宇治十帖」はなるほど、という面白さだ。ということで、手元に置いて読み返したくなり、楽天ブックスで3巻セットを購入した。Amazonでも他のショップでも定価販売(税込み 11,550円)だが、一番ポイントが稼げそうな楽天にした。注文した翌々日にゆうパックで到着!!
じつは京都の細見美術館の企画展で染織家の吉岡幸雄さんの作品を見たとき、『源氏物語』の中の衣装を再現したものがあった。これも興味深く、2度目に行ったときに『源氏物語の色事典』を購入した。税込み 3,630円だが、それだけの値打ちはあると思う。紫色の表現が素晴らしい。僕は生まれつき色の見え方が普通の人とは違うのだが、最近ようやく紫色などの味わいが解ってきた気がする。不思議なものだ…
数年前に京都の本屋で買った阿刀田高の『源氏物語を知っていますか』(この『知っていますか』シリーズは他にも何冊か持っている)が読書の手引きになっているが、図書館に行けば『源氏物語』関連の図書は棚にたくさん並んでいる。たとえば大正末期から昭和初期にかけて刊行された与謝野晶子の名訳など… 少しだけ読んだが、彼女の感性で一部「超訳」みたいな部分もあるようだ。
そうそう、丸谷才一の古典文学に題材をとった『輝く日の宮』も図書館で借りて読んだ後、中古本をネットで購入したが、書棚に入りきらず床に積んである。
勤め先との契約更新で4月からまた休みが一日増えた。4月末から5月初めにかけての連休もあることだし、じっくり読書を楽しんでみたい。
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