先週末の2日間、ロームシアター京都メインホールで全日本合唱コンクール一般の部が開催された。今年は自宅から通える会場。最近よく演奏会に一緒に行くグリー同期のM君と開場時刻に待ち合わせる。一日目の11/23(土)は行楽シーズンとあって京阪電車が少し遅れ、ホールへの入場の列が動き始めてから到着した。係員に誘導され、一階席前方の通路の前、ステージから8列目ぐらいの中央寄りに陣取る。結局2日間を通してこの辺の合唱団員の顔が良く見える席で聴くことになった。あとでわかったことだが、二階席は審査員がいるため、一般の聴衆には開放されていなかった。
前置きはさておき、全国大会本番の様子を書きとめておこう。まずは大学ユースの部、といいながらも全国大会に出てきたのは大学の合唱団ばかり10団体だった。混声合唱と男声合唱だが規模は様々… 全体的な感想として、地域間格差も少なくなってきている、との印象を受けた。とはいえ伝統校が実力を発揮したのは間違いない。
注目のシード団体 関西学院グリークラブの課題曲はM2のシベリウス曲。トップ・テナーの最高音はB♭まであるのだが、きれいに出していた。自由曲はデュオパの「荘厳ミサ」からGloria だった。歌い始めから様子が周りと違ったのはテノール?のソリスト。曲の途中で3人のソリストたちがステージの前に出てきた。ダイナミックな演奏で金賞(10年連続!)だったが、今年は1位シードは取れなかった。
続く都留文科大学合唱団がシード団体に選ばれた。混声合唱団なのだが、48名の団員のうち男声はたったの8名だ! それでもコーラスとしてのバランスは絶妙だった。課題曲はG3 林光の『蜂が一ぴき…』、自由曲はアントニーニの "O Gloriosa Domina" と "War" 。聴く耳に好ましくハーモニーが響き、相当良い順位だと思っていたら、案の定である。
伊東恵司の指揮する混声合唱団名古屋大学コール・グラッツェは120名規模の大合唱。G4 『雪』は三好達治の有名な詩(太郎を眠らせ…)に作曲されたもの。なかなか面白い曲だ。自由曲は Karai の "De profundis"。重々しい曲だね。結構いい感じに聴こえていたが、やはり金賞2位。続く同志社グリークラブも同じ伊東恵司の指揮だ。舞台裏をぐるっと回って再登場! 同志社グリーは関学グリーが昨年の全国大会で1位シードをとったおかげで関西支部大会を勝ち上がった、という面があったのだが、演奏がちょっと凡庸だったか? 課題曲は関学と同じM2で、まぁまぁの出来だったと思うが、ピアノ伴奏付きの自由曲(木島始詩 松本望曲の『回風歌』から3)はあまり印象に残っていない。審査結果は銀賞だった。
個人的には次の北海道大学合唱団に注目していた。男声合唱なのだが指揮者は女性。トーンが好きで何年か前からコンクールで聴くのを楽しみにしている。今年は金賞3位だった。おめでとう! 課題曲はM2のシベリウス。自由曲は西村朗作曲、宮沢賢治詞の『永訣の朝』。同声三部合唱とピアノのための曲、とのこと。有名な詩だ。たしか詩集『春と修羅』に収録されている。あめゆじゆとてちてけんじや… 西村さんの曲はベトベトしてない気がして僕の好みだ。素敵な演奏でした。
演奏の最後はかつての絶対王者、東京工業大学混声合唱団コール・クライネス。140名超の大合唱だが、女声が比較的少ないかな? 課題曲はM1のルネサンス期宗教曲 Victoria の "Ave Maria"、自由曲は二十世紀の巨匠ペンデレツキの "Agnus Dei"。聴きごたえはあったが銀賞だった。
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