図書館で借りた本のタイトルである。10年ほど前に出版されたものだが、鶴見俊輔という哲学者と重松清という作家の対談のかたちをとっている。鶴見さんは3年前に96歳で亡くなっているが、僕も名前は知っていたし、新聞記事で訃報も見ていた。重松さんは作家としてどういう人だか知らなかったが、ちらりと図書館の本棚を見ると、子どもの視点で書いた作品も多いのかな?
この本を借りたきっかけは、木曜日の午後に休みを取って、歯医者に行くまでの時間を図書館で過ごしたから。抜歯の件は改めて書くが、翌日も休暇を取ったので4連休半。暇を潰す読み物も必要かと思ってのことだ。
タイトルが気になり、少し読んで借りることにした。鶴見さんが86歳頃で、ほぼ同年代の重松さんは45歳頃。鶴見さんは戦前にハーバード大学を卒業している。かのヘレン・ケラーにも会っているらしい。初っ端は今の教育がダメになったのは、戦後教育とかゆとり教育のせいではなく、日露戦争が終わった1905年=明治38年に「本当の教育」は終わった、と。「ゲマインシャフト」とか「共同体」という言葉を使われているが、幕末の郷士とかが生まれた環境(寺子屋など)が壊され、いわゆる東大中心の官僚主義が世に蔓延ったせいだと。
また「老い」についても語られている。幸せな「老い」を迎えるために、とか、「人生80年時代」に必要な気がまえについて。「ひらめき」と「持久力」が大事なんだそうだ。とりあえず僕も持久力で合唱を続け、バッハの合唱曲に取り組みたいと思っている。う~ん、65歳までには何とか実のある物にしたい。もし人生があと20年だとしたら、合唱以外にもできることは多いかもしれない。そのためにも健康には気をつけたいものだ。
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