昼食後は「室内合唱」の部(6名以上・24名以下)だ。カテゴリーが変更になって5回目。以前の一般の部Aは32名以下だったから、ある意味でマニアックな合唱ファンにとっては一番聴きたい(聴き比べたい)カテゴリーだが、「大学ユース」が満席だったのに対し、まだチケットの売れ残りがあったようだ。座席入替があって、朝の席の少し後、N列の中央で聴いた。
3番目の雨森文也氏指揮の「合唱団まい」(長野県)は楽しみにしていた。課題曲はG4のピアノ伴奏付『まぶしい朝』だったが、自由曲は Claudio Monteverdi の『愛する女の墓に流す恋人の涙』から3曲。指揮者とピアノの平林知子さんも合唱に加わりイタリア語で愛の歌を歌い上げる。いま思い出したのだが、数年前に東京・杉並公会堂で聴いた Cantus Animae の演奏会でもこれをやったんじゃないかな? 各パートが入り交じり、自由に歌う感がある「雨森式」合唱。聴いていておもしろかった。審査結果は銀賞でしたけど…
7番目の京都、伊東恵司氏指揮「アンサンブルVine」もおもしろい演奏。いたみホールでの関西支部大会より完成度が高まったんじゃないかな。自由曲は Ligeti の "Reggel"(朝)、Esenvaldes の "The Heavens' Flock"(天の一群)と描写的な歌かなぁ? もう一曲は Jake Runestad の "Nyon Nyon" という意味のないコトバの連続。これは印象に残っている。拍手喝采を浴びたが、これまた銀賞。
金賞を取ったのは福島県の5回連続出場という "L'aube des Temps"。 Lassus の課題曲も決め、自由曲はラトヴィアの作曲家 Vasks の「静寂の歌」から2曲とポーランドの作曲家 Lukaszewski(最初の文字はLに斜線のようなのが入ってて、「ウーカシェフスキー」と読むらしい)の宗教曲から。前の記事で書いたが、ホールの響きが素晴らしく、室内合唱も大きい会場ながら素敵に聞こえる。最後に歌った「二つの受難曲」は休憩時間に Pana Musica で楽譜を買い求めた。薄い12ページのもので700円也。それは良いんだけど、分厚い総合カタログなんかを入れられて重くなったビニール袋を渡されたのには閉口! 翌朝、ホテルをチェックアウトするときにはカタログは部屋に置いて出た。
東京代表の「混声合唱団鈴優会」が金賞3位。翌朝、コンビニで朝日新聞を買ってホテルの部屋でコンクールの記事を読んだが、当然「東京版」ページに写真付きで記事が出ていた。G3「子どもは……」と Daniel Elder の "Ave Maria" そして Larry Nickel の "I Cannot Dance" 以前から活動している団体のようだが、初めて聴いた気がする。
「女声合唱団ソレイユ」は力強い演奏だった。Esenvaldes の "Northern Lights" (北極光)はソプラノ・ソロが圧巻! 各パート、歌える人がそろっているようですね。金賞1位で、この新カテゴリーが出来てから5連勝とは凄い!!
最後に出てきた桑原妙子さん指揮の「マルベリー・チェンバークワイア」もいい演奏でしたよ。素敵な Salve Regina と自由曲はここも凝っていて、チェコの作曲家 Zdenek Lukas の "Dies Irae" と オーストラリアの作曲家 Stephen Leek の"Beerburrum"(ベアーブラム山)。ここは金賞2位でしたが、10団体の素敵な室内合唱を堪能しました。
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