遡って9月3日(土)、この日は朝8時の開店を待って散髪屋に入りヘアカット。町内の資源ごみ回収の日だったので、帰宅後、新聞・チラシや段ボールを家の外に並べ、あとはPCの前で先日からのグリー音声ファイルのタイトル編集など…
早めの昼食をとってから午後は近鉄電車で神戸に向かう。兵庫県立美術館で開催中の『生誕130年記念 藤田嗣治展 ~東と西を結ぶ絵画~』 http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1607/ を見るためだ。近鉄奈良から阪神の神戸三宮まで電車が乗り入れており、阪神岩屋駅(三宮のふたつ手前)が美術館の最寄駅。9月は今後、メサイア演奏会に向けて練習が込み合ってくるので、会期が9/22までのフジタ展を見るのは実質的にこの日がラストチャンスとなる。
じつはこの展覧会、開催まもない7月17日(開会二日目)に馳せ参じ、フジタの絵の世界・生き方に感銘を受けた。独特の画風で優美な裸婦像もそうなのだが、戦時中の戦争画(前の展覧会『1945年±5年展』でも少し紹介されていたが、今回のは圧倒的に凄い。『アッツ島玉砕』は圧巻!!)、そして戦後(愉快ではない思いを祖国で経験して)フランスに渡りクリスチャンに改宗した(そして再び祖国の土を踏むことはなかった)というが、聖母子像やランスの教会に納めたステンドグラスのイエス像など… 会期中に展示替えがあるので、後期にもぜひ行ってみたいと思っていた。
さて、2度目のフジタ展、印象を強く受けた作品は前回と少し違った。今回のNo.1はフジタが1949年に日本を離れパリに到着する前に滞在したニューヨークで描いたという『美しいスペイン女』。中世風の背景・構図でダヴィンチのモナリザを連想させる。なんと豊田市美術館所蔵ということで、再会したくなればそんなに苦労しなくてもまた会える絵である。それと、紙に鉛筆で描いたデッサン画。学生時代はは平凡な成績だったというが、観察力・細かなデッサン力が人並外れている。『年配の東洋人の胸像』『少女の肖像』などランス美術館の所蔵品。ランスといば大聖堂で有名なパリ郊外の小都市だが、僕にとってはシャンパンの聖地。将来、フランス旅行などする機会があれば、ぜひ訪れてみたい場所である。
一時間ほどフジタ作品を鑑賞したが、まだ時間があったので階下の展示室を覗いてみる。「小磯良平記念室」があるのだが、たまたま学芸員による作品解説が行われていた。こちらは耳だけ傾けて小磯作品を見て回る。平成28年度購入という作品『中禅寺湖』も掛っていた。『洋裁する女達』という絵も気になってじっくり見る。この人のデッサン力もすごい。「金山平三記念室」を巡り、さら先の展示室に足を運ぶと、ルオーが掛っていたり、竹内栖鳳・村上華岳(最近はこの手も好きです)、変ったのでは直原玉青という人(現代南画の巨匠らしい)の屏風絵『雪解水(マッタホーン)』。これまで知らない作家もいて、こういう場所は勉強になる。
美術館を出て、海を少し見てから(「なぎさ公園」の先に摩耶埠頭の倉庫が見えるだけなんだけど、なんてったって海なし県民なので…)JR灘駅まで10分ほど上り坂を歩いた。この日は京都のアンサンブル練習が山科駅近くであって、事前に購入していたJRの三宮―大阪、大阪―京都の「昼得きっぷ」の組み合わせ+京都からの乗り越し精算でばっちり。ちなみに行きは近鉄難波経由で阪神元町までの「土日祝きっぷ」を使用。神戸まで足を延ばす奈良県民にとっては金券ショップで買えるこれらの「割引きっぷ」が欠かせません。
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