いよいよ本番の朝、携帯電話のアラームが鳴って起きた。不覚にも祝日設定ができておらず、いつも会社に行くときの時刻に「目覚まし」が鳴ったのだ。睡眠時間が6時間ほどだが、まぁいいや。いつものとおり一人で食事を終え、身支度を整えて最寄駅に向かう。ステージ衣装と黒の革靴持参で荷物が多いがしょうがない。家から黒スーツ姿で楽屋入りする人がいるが、僕はリハーサルが終わってから、気持ちを入れ替えるため靴下まで履き替えるタイプなのだ。
地下鉄の駅を出てから(方向音痴なので)最初考えていたのと違う方向に歩き始め、遠回りすることになったのだが、定刻15分前に無事楽屋入り。合唱団入退場の練習の後、ステージ・リハが始まる。僕はコーラスの最前列でティンパニーのすぐ後ろの位置だ。本番が始まって気づいたのだが、前半第一部ではティンパニーの出番がない。左側にはオルガン奏者がいて、その前はチェロやコントラバスの通奏低音楽器。かなり歌いやすい位置だった。通しリハーサルでようやくソリスト陣の姿を見て声を聴けた。そして合唱団の立ち座りの箇所の確認。もっとも、指揮者が手で合図してくれるので間違えることはあるまいが…
リハの途中で指揮者の機嫌が悪くなってくる。2階席で録音業者が声を立てて打ち合わせをしていたのだ。さらに「指揮台が高すぎるので何とかならないか」(これは2段のものを1段にすることで解決)、現役学生がほとんどの1stヴァイオリンが譜面ばかり見ていて、指揮者を見ようとしないので「譜面台を上げろ」などの指示が飛ぶ。指揮者正面のトランペットはお客様から奏者の顔・楽器が見えるように「譜面台を下げろ」とも。いやはや、オケ・ソリスト・合唱の演奏をまとめることを考えるとともに、総合プロデューサーみたいな役割を指揮者は演じるんだ… と感じた次第。
本番もそれほど緊張することなく、大したミスもなく歌え、それなりの感動もあった。歌わないときにもステージ上の椅子で座って聴いていて、ヘンデルの偉大な(かつ親しみやすい)バロック音楽を楽しんだ。繰り返しがちょっと「しつこい」ぐらいのところがあるけれど… ソリストもみな立派な声と表現力で歌われ、お客様にも満足していただいたであろう。こういう貴重な経験をさせてくれた紹介者のTさん、合唱指導のS先生には感謝している。ただ、周りで歌っている人の中で、音をはずしても(自分で気づかず)平気な人、発声トレーニングができておらず素人丸出しの声で歌う人といっしょにステージに乗るのは「ちょっとなぁ」というのが正直なところである。
とにかくお疲れ様でした。
まあ、舞台裏ではいろいろあった訳ですなぁ。
投稿情報: つのぶえ | 2016年9 月23日 (金) 20:31
いろいろあって楽しめました。
ただ、僕にとっては合唱活動のうちの特別な状況なので、また平常に戻ります。
本番まであと3週間もないアカペラ合唱のステージに向けて集中です。
投稿情報: inukshuk | 2016年9 月24日 (土) 08:13