グリーの定期演奏会は他の大概の学生合唱団がそうであるように、学歌あるいはそれに類するもの=神戸大学グリークラブの場合は「商神」という旧制神戸高商時代からの学友会歌に始まり、たいてい正副指揮者(プラス客演指揮者の場合もある)の4つのステージを経て、アンコール曲(ふつう複数)を歌って終わる。
年の暮れ12月の定期演奏会を目指して練習を重ねるのだが、途中の7月頃に他団とのジョイント・コンサートを持って一部をステージに乗せ、一年かけて仕上げてゆく。そしてアンコール曲の準備・・・ 神大グリーとかかわりを持っていただいた中村茂隆先生~当時の教育学部で作曲を教えられていた~に毎年、アンコール曲として、「時代」「贈る言葉」「昴(すばる)」といったヒット曲を男声合唱に編曲してもらった。(これらは1979年から1981年の編曲) 中村先生には1回生のときの第30回記念演奏会でメイン曲として男声合唱組曲を作曲してもらったり、過去の作品を何度かステージに上げたものだが・・・
死んでしまった高校時代からの親友Tは毎年、定期演奏会に平日の夜であろうが神戸まで聴きに来てくれた。Tもまた神戸大志望で同じ予備校に通ったのだが、願いかなわず奈良県のS市から京都のまちなかの私大に通っていた。彼がわざわざ神戸まで僕のステージを聴きに来てくれるのは、ひょっとすると神戸という街に思い入れがあったのかもしれない、と今になって思う。ともあれ、後で彼に感想を聞くと、いつも「アンコール曲が一番良かった!」という答えが返ってきた。歌い手の方としても(少なくともボクは)緊張感のある本番ステージが終わった後で(リラックスした気分で)歌う茂隆先生編曲のアンコール曲は楽しいもので、いつまでも記憶に残っている。
このたび後輩のおかげで当時の貴重な音源を入手できたが、思い出深いアンコール曲を最終ステージの音声トラックから切り出せないかPCと格闘している次第である。
最近のコメント