前に記事を書いてから二週間。予想通りというか、結果的に週末の追い込みで第1章 "LA LIGNE"(定期航空)を読み終えた。ガリマール社のフォリオ判の原文で20ページ、新潮文庫の大きな活字の翻訳で30ページ。これだけ?の文章を読み通すのに約一か月かかった。だが、何と言ってもフランス語である。とりあえず、「よくやった」と自分を褒めよう。
最終コーナーはテンポよく読むことができたのだが、最初に感じたとおり、かなり詩的な書きぶりである。カミュの『異邦人』とはかなり趣きが違う。解説は専門家に任せるとして、感覚的にそう思う。だから一般的な平叙文ではないので読解が難しい。ただ、リズムが良いというか、意味が分からないなりに「美しい文章」だなぁ、と思う。
そして彼の処女飛行のストーリーはハラハラドキドキで、最後にはホッと胸をなでおろす。その間に雲や海や星たちの描写があり、人間の心理描写があり、自分が空中で飛行機を操縦しているかのような気持ちにさせてくれる。
堀口大學の翻訳も負けず劣らず詩的である。図書館で借りてきたみすず書房のサン=テグジュペリ全集の翻訳は山崎庸一郎氏のもの。活字は新潮文庫より小さくて見にくいのだが、もう一度第一章『路線』(山崎訳)をフランス語と見比べて読んでみようか…
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