去年の暮れに読んだ『星の王子さま』に続き、この1月は『人間の大地』あるいは『人間の土地』(角川文庫:堀口大學訳)、原題 “Terre des homme”を原書(Gallimard社の folio版)で読んでいる。『星の王子さま』のように読み進むことができず難儀している。
活字は小さいし、サン=テグジュペリが郵便飛行士としての経験をもとにして書いたエッセイである。その後、子供向けとして書かれた『星の王子さま』とは違って本当に大人の文章で、辞書を引きながら読んでいるのだが、紙が真っ黒になるぐらい書き込みをしなければならない。原文を10ページぐらい読んだのだが、一日一ページのペースだ。この本でサン=テグジュペリはフランス・アメリカで大賞を取っており、当時のベストセラーだそうだ。
堀口大學の訳は僕の生まれる前(昭和30年)になされたもので、相当古い日本語だ。でも、実に味わいのある文章で、とりあえず第1章「定期航空」を読んだ。フランス語で読んでいても、なんとなく詩的な文章だな、と言う感じがする。ただ、もうちょっと辞書を引く頻度を少なくしないとなぁ。そして、動詞の活用をいちいち確かめているが、ものすごく時間がかかる。
カミュの『異邦人』は日本語訳を何度か読んでいたので、ストーリーの展開が分かっていたのだが、この“Terre des homme”はなかなか・・・ でも(とりあえず1章だけでも)読み通したあとの達成感を期待して頑張ってみようと思う。あと半分の10ページ、2週間でいけるかな?
余談だが、きのうは京都で合唱の練習があり、その行き帰りの電車の中でも辞書を引きながら読んでいたのだが、帰りに各駅停車に乗り換えるときに網棚に荷物を忘れたまま辞書・本・カバンだけもって急行電車を出てしまった。続きを読み始めたときに気づいたのだが後の祭り。結局、網棚にマフラーとパンの入った布バッグをのせたまま電車は車庫に入ってしまい、探して駅まで持ってきてもらうのに半時間ぐらいかかった。何ヶ月か前にもそんなことがあって、友人から「もう、あなたは網棚に物を置いちゃダメ!」って言われていたんだけど・・・
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