半年近くもブログの更新をしていなかった。
今年の夏から秋にかけてはカミュの『異邦人』を原語のフランス語で読んでいた。会社帰りに午後8時まで開いている公立図書館、あるいは休日には隣町の図書館で辞書を引き引き苦労して読んだ。これについては改めて記事にしよう。
11月からは『星の王子さま』に挑戦。こちらは物語が短いこと、あるいは「子供のための本」の体裁をとっているのでひと月ほどでやっつけることができた。
この間に僕にとって今年最大の事件である「親友Tの死」があった。3月の彼岸の頃に親族も「覚悟した」そうだ。末期ガンだったのだが、別の友人から連絡を受け、春から夏の間に三度面会することができた。最後は『面会謝絶』の札がかかる部屋で、相変わらず僕の仕事上の悩みなど聞いてくれた。「もうすぐ死んでしまうようには見えないだろう?」と言っていた。11月8日に55歳の若さで逝去。告別式では声を上げて泣いた。Tよ、僕が人前でそんな姿を見せたのは学生時代以来だよ!!
クリスマスのあるパーティーで、Tのことで心に重いものが残っていると言う僕に、あるクリスチャンの老婦人が声をかけてくれた。
「大切なお友達を送り出された悲しみのお気持ち、心よりお察しいたします。 どうぞ1日も早く心の平安を取り戻せますように… いつまでも大切なお友達があなたの心の中に生きていますように… 」 なんて素敵な言葉だろう。救われる気がした。
もう一度、『星の王子さま』を読んで、サン=テグジュペリの言いたかったことをかみ締めてみよう。 星空を眺めて王子さまのことを思い出す語り手のように、悲しみの中ではなく平安な心を持ってTのことを思い出せるように…
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