今年の全国大会は富山市で開催され、11月24日(土)・25日(日)の2日間で全57団体の演奏を聴いてきた。
順序は逆になるが、一番最後の一般部門Bグループ(33人以上)の感想から…
トリを努めた「お江戸コラリアーず」が最優秀賞を獲得したが、その演奏は迫力のあるものだった。大体が男声88名(数えていないが… そして女性の男声も入っているが)で大迫力。課題曲の「はらへたまってゆく かなしみ」は松下耕の作曲だが、多田武彦を彷彿とさせる曲調。たまらんですなぁ。満点の演奏と言ってよい。自由曲は木島始作詞、三善晃作曲の「遊星ひとつ」~四手のピアノがつく、この8月の演奏会で聴いた曲~から「INITIAL CALL」と「バトンタッチのうた」。大盛り上がりでフィナーレ。あたかも演奏会でのラストステージのような終わり方だった。大拍手のうちに退場するときも、ひとりひとりお辞儀をしていた。なかには会場に両手を振っている人も。
2位の「CANTUS ANIMAE」は自由曲で西村朗作曲の宮澤賢治の詩による「永訣の朝」。この演奏は素晴らしかった。自分としてはこのグループで表現が一番だと思った。課題曲は「鳥のように栗鼠のように」だったが、とても自由に伸びやかに歌っていたのが印象的だ。8月に(おえコラ演奏会前夜に)杉並公会堂で聴いたこの団の演奏会のスタイルどおりに。
同じ課題曲を歌った3位の岡崎混声の演奏は大変模範的な感じで対照的だった。同じく愛知県の「ノース・エコー」も金賞を獲得、ベースの支えが素晴らしく分厚いハーモニーを聴かせてくれた。金賞はもう1団体、佐賀県の「MODOKI」。ブラームスの”Warum…”は素晴らしい響きだった。
金賞がもっと出るのかと思ったけど、大阪の「よどこん」(銀賞)、「ことのは」(銅賞)の評価がそれほど高くなかったのはどうしてだろう。宮城の「グリーン・ウッド・ハーモニー」は銀賞だが、のびのびと歌っている印象を受けた。若い力強い声だった北海道の「Baum」は惜しくも銅賞。自由曲でダブルコーラスの曲を演奏したが表現力が足りないということだろうか? 雑誌「ハーモニー」の冬号で詳しく講評が出るようだから参考にしたい。
この日は途中から4Fの響きが良く聞こえる席で聴いていたのだが、演奏を終えた”CANTUS ANIMAE"の指揮者雨森文也氏とピアノの平林知子さんが「おえコラ」の演奏が始まる前に僕と同じ列に着席され、雨森さんは身を乗り出して聴いておられたのが印象的だった。合唱界って有名な「先生」と呼ばれる人も身近に感じられるからいいよね。
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