音楽評論家の吉田秀和氏が先日、5月22日に亡くなられた。98歳だったそうである。
最近も新聞で音楽評論を目にした気がするし、ラジオからも声が聞こえてきて(5月初めの連休中の朝=たぶん再放送=だったと思う)、ずいぶん長生きされているんだなぁ、と思っていた。
三十数年前の僕がたぶん実家にいた予備校生時代(※)のことだと思うのだが、NHK-Fmの番組「名曲のたのしみ」で吉田氏のトークとモーツァルトの弦楽四重奏『狩り』K458を聴いたことを覚えている。その放送をカセットテープに録音して、その後長く繰り返し聴いていた。今では所在不明になっているのだが… この頃、クラシック音楽に興味をもっていた僕にとって大いに刺激になった。
大学生になって下宿生活中(※)もその番組でモーツァルトの喜遊曲(ディヴェルティメント)を聴いて本当に「音楽の楽しみ」を味わった気がする。(ひょっとすると『狩り』と順番が逆かもしれないが…) このとき聴いて頭の中に残っていたK138を数年前に会社の旅行で富士山の近くにいったとき、オルゴール館のホールでプラハから来ているという外国人演奏家の弦楽四重奏の生演奏を聴き、感激した想い出がある。
NHKによると、吉田秀和氏の生前に録音済みの音源や執筆済みの原稿が多数あるので、氏の遺志を尊重して年内いっぱい放送を続けるとのことだ。放送時間が土曜日の午後9時から10時とのことで、ちょうど合唱の練習が終わって帰宅中の時間なのが残念だ。
(※)NHK-Fmで弦楽四重奏曲「狩り」と「ディベルティメント第3番」を聴いた時期はやはり順番が逆だった。
なんか、久しぶりですね。
吉田氏の大往生は世の中的には大きなニュースでしたが、合唱人としては24日の畑中良輔氏の他界もインパクトありましたよ。間近にいる慶應ワグネルOBは報道当日、てんやわんやしていました。
福永陽一郎氏、北村協一氏に続いて畑中氏が亡くなったことで、我々世代の象徴的な指揮者は消滅した気がして、時代の移り変わりを感じます。
投稿情報: カツオ | 2012年6 月 2日 (土) 20:18
そうですね。このところ、フィッシャー=ディスカウ、畑中良輔と訃報が続きましたね。
話はそれるが、先日5月27日(日)に大阪で久々に五つの男声合唱の集い(ANCORの会)を聴いてきました。我が六甲男声合唱団もステッキをもってステージに上がるロートルの先輩方がちらほら… 約30年前は僕もそのステージに立っていたのですが、男声合唱とは最近ちょっと距離ができてしまいました。
投稿情報: inukshuk | 2012年6 月 3日 (日) 00:34
>放送時間が土曜日の午後9時から10時とのことで、ちょうど合唱の練習が
>終わって帰宅中の時間なのが残念だ。
ちなみに(曜日は忘れたが)平日の午前に再放送やってる。
オレは立場上聞ける(実際に聞いてる)けど、inukshuk君の場合は仕事中やもんなぁ。
投稿情報: つのぶえ | 2012年6 月 3日 (日) 07:26
再放送は木曜日の午前10時から11時らしい。先日聴いたのは、5月3日の祝日に隣町の図書館に行く道すがらのカーラジオで。ラフマニノフのピアノ曲を紹介していた。
ネットで調べると「一人の作曲家の作品を全曲、順を追って紹介していた」ということなので、ブログ記事は僕の勘違い。でもクラシック音楽に興味をもち、土曜の夜の時間をもてあましていた僕が二十歳前後の時期に吉田さんはモーツァルトを延々紹介し続けていたんですなぁ。
投稿情報: inukshuk | 2012年6 月 3日 (日) 08:59