中学2年生の時だと思うが、タカウラ君が大阪から転校してきた。ちょっと変わった感じのやつだったが、何かのきっかけでよく口をきくようになった。たぶん僕がお年玉でサイモンとガーファンクルのLPセット(CBS-SONYが作ったベスト版みたいなの)を買って、自慢げに学校に持って行ったのが事の始まりだったように思う。その前にはソニー製のスピーカーとFM/AMレシーバー付きのレコード・プレーヤーセットを親に買ってもらっていた。ちなみにこのセットは大学生になって下宿したときに家から持って出ることになる。
タカウラ君は「ビートルズ・ファン」を自認していて、レコードも全部揃えていたと思う。友人たちと彼の家を頻繁に訪問するようになり、彼はエレキ・ギターも持っていたので、仲間4人でビートルズのまねごとを始めた。僕はアコースティック・ギターの担当で、「のんちゅー」がベース・ギター、「タカユキ」はドラムス&パーカッション。のんちゅーとタカユキは僕の幼稚園からの幼なじみである。
タカウラ君には妹が一人いた(しょっちゅう口げんかをしていたのを憶えている)が、お母さんがいつも家にいていつもお茶やお菓子を出してくれた。お父さんは警察官だったが家庭はリベラルな雰囲気が漂っていて、ついつい仲間で入り浸っていた。「ヘイ・ジュード」「イエスタディ」「レット・イット・ビー」や「HELP」なんかを彼の部屋でジャカジャカやっていた。あんまりうるさいと階下からクレームがついたかもしれない。なにせ戸建住宅がならぶ住宅地だったから… そんなことを中学3年生のときにやっていた。自分の親には「いっしょに勉強してくる」と言って自転車で家を出たが、ギターケースをひっさげていては遊んでいるのがバレバレである。
そのタカウラ君、いまでは大阪府警に勤めているとのことだが、中学校の同窓会の案内を出そうにも連絡がつかないとのことである。高校が別になり、それ以来会っていないと思うので、もう30年以上になる。どこかで元気に暮らしているとは思うのだが、再会して旧交を温めたいものだ。
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