週末の11月20日(土)21日(日)は西宮市の兵庫県立芸術文化センター(略称「芸文」)で開催された第63回全日本合唱コンクール全国大会(大学・職場・一般部門)を聴きに行ってきた。
長年、合唱活動をしているが、合唱コンクールの全国大会を聴くのはこれで二度目である。初回は岡山市で開催された2年前、所属合唱団が関西大会に出場したのを機会に「全国レベルはどんなものだろう」という興味が出てきて、思い切って出かけた。それは凄い経験でしたね。そして去年の札幌はあまりに遠くて行けなかったが、今回は地元関西。家から電車を乗り継ぎ2時間ほどかかるが、それは日頃の行動範囲内である。前置きはこの辺にして…
第1日目は大学部門と一般部門Aグループ(32人以下の小編成)である。大学の部の一番手は金賞常連の「東京工業大学混声合唱団コールクライネス」。さすがに安定したきれいなハーモニーで難曲を楽々と歌い切り、理系の大学らしく?緻密な計算さえ感じられる。(結果は金賞ながら第2位であった。) 第1位を獲ったのは地元「関西学院グリークラブ」。関西大会で聴いているが、全国大会に向けかなり磨きをかけたと感じた。自由曲は多田武彦作曲の「尾崎喜八の詩から」から冬野・かけすの2曲。単調になりがちなタダタケ節をうまくダイナミクスをつけて引き締めたのが好結果を生んだのでは?と勝手に推測する。完璧な仕上がりだったのではなかろうか? 第3位を獲得した女声の「金城学院大学グリークラブ」もまた声が良く揃っていて印象的だった。結果を聴いて「やっぱりね」である。
さて、より興味のあった一般Aだが、トップバッターは我が奈良県のクール・シェンヌ。さすがと思わせる安定した響きでヴィクトリアとブラームス(Warum ist das Lichit ...)を聴かせてくれた。正統派の演奏という感じだが、結果は3位金賞に終わった。(ついにシード権を失うことに…) 上位2団体はいずれも東京のアンサンブルである。2位の "harmonia ensemble" は約20名だがメンバーの一人が指揮というかときどき合図をしていた。驚いたのは自由曲でメンバーの一部が会場通路にまで降りてきて「シアターピース」的な演奏を行ったこと。Stephen Leak という作曲家の "Kondalilla" なる曲だが、僕は1階席中央付近で聴いていたので斜め後方からも女声のしっかりした声が聞こえてきた。メンバーひとりひとりが実力者って感じですね。もう1曲はみんな舞台に戻って Eric Whitacre の"With a Lily in Your Hand" 上手いなぁ。さっきネットで見たら東京大会ではダントツの1位だったそうです。結局この部門で1位だったのは去年・おととしも金賞だった "Combinir di Costa" 逆転優勝ですか。実力派で課題曲は Villette 自由曲は Luigi Dallapiccola と Morten Lauridsen の曲。Lauridsenは名前を聴いたことがあると思ったら耳馴染みのある "Ubi Caritas et Amor"を作曲したアメリカの作曲家。この日 "Combinir"の演奏したリルケのフランス語の詩による"Contre qui, rose" は気に入って「バラの歌」曲集の楽譜と収録CDを買ってしまいました。
第1日目は演奏終了が午後7時半過ぎ。朝から34団体を聴いて疲れ気味で翌日も早いので、審査結果は聴かずに帰宅しましたぁ…
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