腰を据えて読むというより、出かけたときの電車の中とか、寝る前に少し、というペースで読み返している。去年、最初に通読した後、再読したので、今回が確か3度目である。話の筋はだいたい頭に残っているのだが、これまで流れで読み進んでいたので、ときどき「あっ、そうだったんだ」と「はっ」と立ち止まる箇所がある。
たとえば「第9章(青豆)風景が変わり、ルールが変わった」、そもそも、「1Q84」というのは、ジョージ・オーウェルの「Nineteen Eighty-four (1984)」を下敷きにしてるんだった。オーウェルの小説では、確か、一党独裁政治の親玉”Big Brother"が人々を監視カメラで見張り、テレビ放送で洗脳していくんだっけ? 実はこれが映画化され、カナダのケーブルTVで放映されたものをヴィデオ録画したものを持ち帰った。ところが、当然ながら、日本語の吹き替えも字幕もなく、何度か見ようとするのだが、途中で眠くなってしまい、最後まで通してみたことがない。冒頭部分で、過去の新聞を検閲?して、独裁政権に不都合な記事を書き換え(或いは削除?)する作業をしているのは良く憶えている。村上小説では、本当の1984年から別の新しい「1Q84年」に入り込んで、そこの「新しい現実」の世界で生き、青豆と天吾は互いに糸が撚られるように再会を果たすわけだ…
「第16章(天吾)気に入ってもらえてとても嬉しい」 天吾とふかえりが新人賞受賞記者会見の予行演習をする場面で、趣味について、ふかえりは音楽を聴きことが好きで、特にバッハの「平均律クラヴィーア曲集」と「マタイ受難曲」が好きだという。ふかえりは曲名ではなく作品番号で答えるのだ。それにしても、黒い髪の毛がまっすぐ長く、胸のかたちがくっきりきれいに出ているという、ふかえりのセーター姿を想像するとドキドキする。そんな女の子と「華麗なピカレスク・ロマンの世界」に浸りたいものだ。
今日は祝日で会社も休み。5連休の中日である。時間があるのでBooK1を読み終えられそうだ。そして、音楽はバッハのマタイ受難曲ではなく、知人から借りたメンデルスゾーンの合唱曲全集を聴くことにする。
>特にバッハの「平均律クラヴィーア曲集」と「マタイ受難曲」が好きだという。
ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」みたいに、これらの曲もいずれ注目されるんですかね?
>ふかえりは曲名ではなく作品番号で答えるのだ。
BWVがでてくるんですか?すごい。
>黒い髪の毛がまっすぐ長く、胸のかたちがくっきりきれいに出ているという、ふかえりのセーター姿を想像するとドキドキする。そんな女の子と「華麗なピカレスク・ロマンの世界」に浸りたいものだ。
この件にについてのコメントは別途飲み会でいたしましょう。
小生は1Q84ブームが去り、文庫本になったころ読みたいのですが、こういう話を聞くと煽られますな。
投稿情報: つのぶえ | 2010年5 月 3日 (月) 17:19
そそられてください。そして、村上ワールドに入ってくださいょ。
バッハは超メジャーなので、小説冒頭に出てくるヤナーチェックの「シンフォニエッタ」ほど話題にならなかったのでは? 僕はミーハーにも前作の「海辺のカフカ」を読んで、ルビンシュタインの「大公トリオ」を買ってしまったのですが… 「マタイ」も今朝 YouTube でチェックしてしまいました。
投稿情報: inukshuk | 2010年5 月 3日 (月) 18:23