先週金曜日の夕刊に記事が出ていましたね。91歳だったそうです。
サリンジャーといえば、まず「ライ麦畑でつかまえて」 "The Catcher in thr Rye" が語られるけれど、僕が彼の作品と出会ったのは、高校生の頃(三十数年前ですね)、自転車通学途上の本屋で見た「九つの物語」 "Nine Stories" の文庫本だったと思う。一番初めの物語「バナナフィッシュに最良の日」に度肝を抜かれて短篇を読み進み、「フラニーとズーイー」なんかも読んだ。どこまで中身を理解したかは怪しいもんだが、「ライ麦畑」を読んだのは少し後の浪人時代か大学時代かも知れない…
音楽では中学3年生に聴き始めたサイモンとガーファンクルが大好きで、英語やアメリカ文化にとても興味があった。英語の原書を読もうという気はなかったが、翻訳物の文庫本や雑誌はよく読んだ気がする。"Rolling Stone"誌や"Playboy"誌の日本語版である。P誌も買って帰った気がする。詰め襟の制服姿で当時サミー・デイヴィス・Jr.のCMが流行ったサントリーのホワイト・ウィスキーも学校帰りに買ったし、あまり「18歳とか未成年に酒やそういう雑誌を売らない」とかうるさくなかったのではないかと思う。
Rolling Stone"誌に出ていた記事で、アート・ガーファンクルが、「お金持ちになっていい事は、映画館に入って、つまらない映画だったら払った料金を気にせず途中で出て来られること」なんて云ってたのを何故だかよく憶えている。庶民は我慢して最後まで見ますよねぇ。
その後、サラリーマンとなった僕は、とある女友達に紹介されて「村上春樹」を読み始め(彼もアメリカ文学の影響を受けてますね)、いつしか、あこがれのアメリカで仕事をするようになり、"Nine Stories" や "The Catcher in the Rye"を原書で読み、ついには村上春樹の影響で、Raymond Carver なんかの原書も読むようになるんですが… そうそう、春樹は "Catcher" の新訳を2003年に出し、僕も買ったんだよ。
たしか、1995年前後に(僕は米国ニュージャージー州に住んでたんだけど)サリンジャーが隠遁生活をしているコネチカットの家が火事騒ぎで、アメリカでは新聞なんかで話題になりました…
そんなこんなの事をサリンジャーの訃報にふれ、思い出す今日このごろであります。
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