「ぼく」が18歳のときに経験した奇妙な出来事について、、
舞台は神戸の山の上。阪急電車の**駅からバスで曲がりくねった急坂を上がっていく。が、バス停から歩いても、ピアノ・リサイタルが催されるはずの小さなホールは長く使用されていないかのように閉ざされている。ある女性から招待状を受け取り、11月の日曜日の午後に花束まで買って一人ででかけたのに、、 というミステリーみたいな話。
途方に暮れ、近くの小さな公園のベンチに座っていると、一人の老人が登場し、「中心がいくつもあって外周を持たない円」の話をする。それは実在し「自分の頭で智恵をしぼって考えなければならない」。フランス語に『クレム・ド・ラ・クレム』(※)という表現があり、努力して難しい事を成し遂げることが『人生のいちばん大事なエッセンス』という意味だ、と教える。そんな『人生のクリーム』について話すが、気づくとその老人はもういない。
そんなお話です。ところで、老人は関西弁でしゃべる。春樹はこれも得意ですね。だけど、外国語に翻訳するとき、どうするんだろう? なんて余計なお世話か…
(※) 原文にはないが、フランス語表記では "Crème de la crème" ですかね?
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