こないだの日曜日、11/10に西宮北口の芸文センターまで出かけ、菊池洋子のピアノ・リサイタルを聴いてきた。これがまた良い席で、「チケットぴあ」の先行発売で購入。特別手数料もかかったのだが、友人分と2席 D列(前から4列目だ!)のやや右寄りの席が取れた。
このピアニストのことは今まで記事にしてこなかっただろうか? すらりとした長身で手も大きそうだ。ピアニストとしては有利だね。何年か前にBSの番組で彼女のリサイタルの録画を見た(聴いた)が、たしかリストの『リゴレット・パラフレーズ』を弾いて、これが印象的だった。今回の演奏会もモーツァルトの『きらきら星変奏曲』がプログラムに入っていて、ぜひ聴きたいと思ったのだ。
昨年6月末にこの「音のパレット」プロジェクトの第1回があり、たまたま他ホールのチラシ棚で直前に知って、残っていた芸文大ホール3階席で『トルコ行進曲つき』などを聴いて堪能した。アンコール曲は "Ave verum corpus"(これもリスト編曲)だった。第2回はフォルテピアノでの演奏で、会場は芸文の小ホール。先行予約で取れなかったが、夜の部の追加公演を聴くことができた。その時はアンコールの前に長めのおしゃべり(解説)をしてくれたと記憶している。第3回のフォルテピアノも楽しみにしていたのだが、先行予約でチケット取れず追加公演もなかったので聴けていない。
さて今回は最終回で大ホール公演。残席はわずかにあったようだが、ほぼ満員だった。僕らの席はピアニストから約10mの距離で、鍵盤・指遣いは見えないものの表情が間近に見ることができた。弾き始めの集中して思いつめたような表情、途中でモーツァルトの音楽をかみしめるような顔の動きが見て取れた。久々の感動のリサイタルとなった。ピアノの音もバンバン響き、迫力がある。すぐ後ろの席の男性2人組も曲間で感嘆の声をあげていた。目の高さで彼女がペダルを踏む様子も見えた。
特に前半の3曲は耳なじみのある曲で視覚でも楽しみながら聴けた。変奏曲は指折り数を数えていたが、早く折りすぎてしまったが… 休憩後の後半は前夜の疲れが出て(しかし耳には心地よく)気づけば演奏が終わっていた。またこのプロジェクトについての彼女のトークがあり、アンコール曲は『グラスハーモニカのためのアダージョ K356 (617a)』という静かな曲。ホールの空間に響きが浮かんで、心に染みわたった。
プロフィールによると 1977年10月生まれ(群馬県前橋市出身)というから現在42歳。近年、モーツァルトの活躍したウィーンに生活の本拠を移したという。今後ますます円熟味を帯びてくるだろう。これからも応援したい音楽家である。
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