12月16日(日)兵庫県立芸術文化センター「神戸女学院小ホール」で行われた菊池洋子(Pf)のリサイタルを聴きに行ってきた。芸文主催の「音のパレット」シリーズ第2回演奏会なのだが、昼の部がチケット発売即日完売につき、夜の部が追加公演となり、何とかチケットを入手できた。ほぼ正面の最後列、と思いきやその後に補助席の列ができていた。今回もM君と同行。
フォルテピアノという楽器の音色を聞くのは初めて。モーツアルトの時代のピアノらしいが、この演奏会では Stein モデルの復刻楽器が使われた。現代のピアノより小ぶりでフットペダルがないのだが、演奏終了後(アンコール曲の演奏前)の菊池さん自身の解説では鍵盤の上の方に「レバー」があるらしい。(さっき彼女のブログを見たら写真が出ていた) 演奏中は指裁きを見ていたのだが、レバー操作には気づかなかったなぁ。チェンバロは何度か大和文華館で中野振一郎氏の生演奏も聴いたことがあるが… フォルテピアノの方がかなり柔らかい音が出るようですね。
演目は Mozart のピアノソナタ第1番~第6番の6曲。モーツァルトが子供の頃、演奏旅行でこの6曲セットをよく演奏したという。KV番号でいうと 279番~284番の連番だ。この演奏会では前半に第1番~第4番、後半に第5番・第6番が演奏された。CDでは内田光子の弾くピアノソナタ全集を持っているのだが、モダンピアノとご先祖様のフォルテピアノとでは全く印象が違って聞こえる。3000円でA席を取ったが、小ホールでの演奏を生で聴けるのはお値打ちと言えるだろう。
後半の曲は結構モダンな感じがする。第5番のソナタは前になんとなく聴いた気がするし、特に「デュルニッツ」と題された第6番のソナタは最初から躍動的だ。Ⅰ.アレグロのあと Ⅱ.ロンドー・アン・ポロネーズ (Rondeau en polonaise):アンダンテというフランス風の表題がついた楽章が続き、最後にⅢ. 主題と12の変奏(アンダンテ)で締めくくり。かなり演奏時間が約25分と長い曲だが、逆に聴かせどころ満載の曲といったところ。座った位置からはピアニストの顔の表情と指の動きがよく見え堪能できた。
アンコールの拍手の後、ピアニストによるかなり長い楽器の(そして Mozart 最初の6曲のピアノソナタの)解説。そして「ピアノ小品 ヘ長調 KV33b」と「アレグロ ヘ長調 KV1c」の2曲がアンコール曲。KV1というのは天才少年 Mozart 5歳の時の作曲だそう。後のオペラ「魔笛」の「パパゲーノ」のテーマだ。
幸せな気分でホールを後にしたが、残念なことに来年5月19日開催の第3回演奏会は同じ小ホールでなのだが、チケット発売日に即完売になり、追加公演でもなければ聴けそうにない。先行予約日に高をくくっていたら、午後にHPを覗いたときには予定数終了になっていたし、翌日の一般発売ではPCで席の選択をしている間に完売となった。業者が買い占めているのかもしれないがすごい人気だ。
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