こんどは一般の部Aグループ(32人以下)について。今年は27団体の出場だが、常連の団体以外に初めて名前を聞く団体もちらほら。コンクールは参加費を払えばエントリーできるので、こういう勝負の仕方もあるんだねぇ。
その一つが男声合唱の「メンズ・ウィード」だ。高嶋昌二氏指揮で、制限いっぱいの32名。こういう団体って選抜メンバーなんだろうなぁ。想像だが、おそらく淀川工業高校グリーのOBたちで、合唱団ことのはの男声メンバーとも重なっているのだろう。若い人たちばっかりなのに声が揃っている。課題曲は「はらへ…」(M4)、自由曲は鶴見正夫作詞・荻久保和明作曲の「In Terra Pax」から。結果は金賞3位だった。
もうひとつ、女声合唱の「さくら」も新顔ながら金賞で5位。課題曲は”In Black mourn I" (F1)、自由曲はホルストの "Ave Maria" とオルバーンの "Pange lingua"で緊張感のある見事なハーモニー。これも僕の上位入賞リストに入っていた。
その他の金賞受賞団体は、以前にR.シュトラウスの曲で(たぶん)記事にしたことのある「創価学会関西男声合唱団」。「はらへ…」と三木稔作曲の「合唱による風土記<阿波>から 「たいしめ(鯛締)」「たたら(踏鞴)」。男声合唱らしい「腹にどしっと来る」好演奏だったと思う。個人的には「ウィード」より上位だと思うが… 結果は4位。
合唱団LABOは浅井順子指揮の若手中心の実力派合唱団。個々の歌い手に実力がありそうだ。自由曲はプーランクとホルストの宗教曲を聴かせてくれた。6位金賞。
全国大会出場を決めた上位2団体は常連の「アンサンブルVine」と「クール・シェンヌ」。いずれも課題曲はパレストリーナの "Ego sum panis vivus"(G1)で、シェンヌの方がやや硬い感じがしたが(テナーの主要メンバーが抜けたにせよ)貫禄の演奏。ブルックナーの "Christus factus est" は安定感があった。もう一方のVineは自由曲の3曲目、M.Ostrzyga作曲の "Iuppiter" というかなり変わった曲を平然と歌ってのけた。Aグループのトップというのも異議がないところ。
「シェンヌ」がトリをとったあと、シード演奏の新日鐵住金混声合唱団(企業統合でこんな名前になった)とパナソニック合唱団の大合唱の演奏を聴いてから帰路についたが、この日は35団体も聴いて耳が相当疲れた。11月に富山でゆったりと聴きたいものだ。
合唱団の特徴がよくわかる、良い解説でしたね。勉強になりました。
ところでふと気づいたんですが、上位入賞の合唱団の顔ぶれに、兵庫県の団はほとんどいないのでは!?もともとは合唱王国だったのに、寂しい限りです。もちろん高校レベルでは上位を占めているんですが。
代わりといってはなんですが、貴兄のおられる奈良県は強いですねえ。30年前と比べると様変わりとの印象です。
投稿情報: カツオ | 2012年10 月11日 (木) 20:00
カツオさん、
今回紹介した金賞受賞の女声合唱団「さくら」は兵庫県の登録だし、森啓一先生指導の "Konan SOLA" は惜しくも銀賞。
おかあさんコーラスでは、"C'est La Vie"(ひょっとすると全国大会に出るのではないかと思いました)「ヴェネルディ女声合唱団」(2年前に全国大会進出)「女声合唱団はづき」が金賞を受賞するなど、女声上位かもしれませんが、合唱王国兵庫の地位は揺るぎない。女子大(お嬢様)・奥様文化があるのかも…
併せて近隣の奈良・滋賀のレベルアップはめざましいものがあります。今回は大学で和歌山からも出るし、関西全体のレベルアップは悦ばしいことですねぇ。
投稿情報: inukshuk | 2012年10 月11日 (木) 22:39