7月中旬のことだが、合唱雑誌『ハーモニー』の演奏会広告ページを見ていて気になるものがあった。8月11日(土)の夜にある「カントゥス・アニメ」(Cantus Animae = CA)という雨森文也氏指揮の混声合唱団の演奏会と翌12日(日)の昼にあるかの「お江戸コラリアーず」(おえコラ or OC)のジョイント企画で、通し券が3000円で購入できるという。
演奏曲目をみるとCAがモンテヴェルディやシェーンベルクの合唱曲で一度生で聴いてみたいと思っていたもの、おえコラはドイツロマン派アカペラ曲をやるということで一念発起、お盆休み突入の週末に一泊で東京行きとなった。宿は「じゃらん」で朝食付き7000円の手頃な部屋をゲット。これで演奏会チケット込みで1万円也。 問題の新幹線も往復とも「のぞみ」の指定席をインターネット予約で確保した。ただしこちらは繁忙期の正規料金である。
さて、京都駅から新幹線で東京に向かったが、前の会社を辞めることを決めて、大手町の某ビルの高層階で某社コンサルタントの面接を受けてから実に10年半ぶりである。(結局その会社には行かなかったが…) 東京に着くと曇り空だった。うろうろしたのだが、銀座の山野楽器店で楽譜とCDを購入。そのあと荻窪に向かった。
肝心のCA演奏会:会場は杉並公会堂。開場時刻少し前に着くと2~30人の行列ができていた。なかなか響きのよさそうなホールで一階後部中央寄りに席を確保。お盆休み入りのせいか有名指揮者・実力派合唱団の割には客の入りが悪いという印象を受けた。ステージに団員が入ると約40名だが男声に若い人が多い。ひな壇を使うのだが、ベタに2列並んで指揮者がちゃんと見えるのかな?という人も…
1ステ: モンテヴェルディ「愛する女の墓にながす恋人の涙」
いやぁ、みんな歌う力のある人の集まりなんでしょう。ちょっとハーモニーのばらつきやキメの甘いところもあったけど、力強く自由に歌っているという印象も受けた演奏でした。指揮も力強いし 曲の雰囲気は出ていたのではないでしょうか?
2ステ: 秋透「雨のあとには」
初演だそうで、演奏の始まる前にステージ上で指揮者雨森氏、作曲者、作詞者による曲紹介のようなものがあった。僕の隣に座っていた熱心そうな女性グループは楽譜を繰りながら演奏を聴いていた。 遠方からなのかこのステージのあと帰られましたね。
3ステ: シェーンベルク「地上の平和」
以前にも聴いたことがあるのを思い出した。レコードだったか… 弦楽の「浄められた夜」が好きなんですが、これも十二音の無調音楽に移る前の曲。とにかく難曲をよくやりました、って感じです。この演奏会のテーマが「新しい音」。チャレンジだったんでしょうね。
4ステ: 信長貴富「くちびるに歌を」
男声合唱がオリジナル曲だが、この混声版を聴きたかったんです。「よどこん」が混声版を委嘱・初演したらしいけど、CAの演奏もこの曲の持つ力を表現していたと思う。(銀座の山野楽器で買った楽譜はコレ) 信長さんの曲は鳥肌を立たせるような、わくわくさせるような気分になりますね。力のこもった指揮・ピアノ伴奏も印象的でした。本当に勢いがあったと思います。
アンコール: 信長貴富「こころよ歌え」
福島県の高校生が震災前に委嘱した曲。昨年の京都合唱祭の招待演奏を僕も聴いたけど、大人が歌ってもいいですね。心にしみます。
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