といっても、きっかけとなるようなエピソードは憶えていない。高校生当時、ELPが「展覧会の絵」をヒットさせ、YESの「火の鳥」を聴き、なんとなくブリッジのようなものがあったのか。それに放課後はクラブ活動に参加するでもなく暇をもてあましていたので、家でFM放送を良く聴いた。雑誌「FM-fan」だったか「週刊FM」を学校帰りに買った覚えがある。
あるとき雑誌のクラシック名盤案内にモーツァルトのピアノ協奏曲が紹介されていて、父に頼んで2枚買ってきてもらった。父は近鉄百貨店に勤めていて、定価販売のレコードも分引きで買えたし、在庫がなくても取り寄せてもらえた。ふだんほとんど口を利かない息子の注文に(自分は聴きもしないのに)喜んで答えてくれた。
1枚はクララ・ハスキルの弾くピアノ協奏曲第20番と第24番の短調の2曲。たしかモーツァルトが短調で書いたピアノ協奏曲はこの2曲だけなんですよね? イゴール・マルケヴィッチ指揮のコンセール・ラムルー管弦楽団との共演。今も名盤として残っているようです。もう1枚はルドルフ・ゼルキンの弾く長調のコンチェルトなんだけど、詳細は憶えていない。指揮はジョージ・セルでCBSの録音だったと思うけど…
このころピエール・ブーレーズがストラヴィンスキー作曲「火の鳥」の組曲1911年版(※)を出し、ジャケットにも惹かれて街のレコード店で買った。僕は結構ミーハーで、中身もよく知らずLPジャケットのイメージでレコードを買うことも多かった。カラヤン指揮のシベリウス交響曲第2番もそうだ。ジャケットは大きな波が描かれた絵だった。(たぶん…)
クラシック音楽じゃないけど、映画「死刑台のエレベーター」のサントラ版もなんとなく買ってしまった。輸入盤だったと思うけど、音楽はマイルス・デイヴィスのトランペット。そのときは正直、変わった音楽だと思った。その良さが分かるのはだいぶ月日が経ってからだ。
(※)これは僕の思い違いで、どうやら1975年にニューヨーク・フィルと録音した「1910年原典版」でいわゆる「全曲版」です。当時のブーレーズはバリバリで、相当話題になったようです。 (2011.9.27.追記)
9/24(土)のブログ記事は何ともコメントしづらい内容だったけど...。
>ふだんほとんど口を利かない息子の注文に(自分は聴きもしないのに)喜んで答えてくれた。
ええお父さんやなあ。
自分のオヤジなど、音楽に対する理解などまったくなかった。まあ、その分音楽に対する愛情みたいなものが深まったのかも。
さて、初めて買ったクラシックのレコードは何だったかな。
セル/クリーブランド管のワーグナー”指環”のオーケストラ曲の抜粋盤だったような..。
とにかく最初からオケ指向だったことは間違いない。
投稿情報: つのぶえ | 2011年9 月26日 (月) 11:01
父のことだが、結構僕の頼みは聞いてくれた。昔のこと、長男なので期待していたのかもしれない。浪人・下宿とも文句を言わず好きにさせてくれた。昭和ひとけた生まれで、小学校しか出ておらず、大学時代に友達が家に遊びに来ると(自分には地元の友達しかいないので)喜んでいたようだ。福井の友人宅に泊めてもらった時も同年代のお父さんにえらく歓待されたのを覚えている。(我々の世代はなんやかや言っても幸せだよなぁ)
父が亡くなって5年になる。最後の10年ほどは病気をして好きな酒も飲めなくなったのがかわいそうだったなぁ… (身近に住んでいた母や弟は苦労したようだが)
投稿情報: inukshuk | 2011年9 月26日 (月) 17:40
さっきTVCFで「展覧会の絵」を聞いたような気がした。
携帯電話のCM?
投稿情報: inukshuk | 2011年9 月26日 (月) 21:19
けさも聞こえました。
キャノンのデジカメのCMでしたね。
女の人が両手の指でフレームを作ってました。なるほど!
投稿情報: inukshuk | 2011年9 月27日 (火) 08:17
>さっきTVCFで「展覧会の絵」を聞いたような気がした。
そんなCMがあるのか。まだ、聞いてないなあ。
ラベル編曲の「展覧会の絵」だと冒頭にトランペットのソロでテーマが演奏されるんだけど、これが「てんらんかいの~え、の~え」と聞こえるんだな、これが。
投稿情報: つのぶえ | 2011年9 月27日 (火) 16:45