昨日の記事のつづき…
(その2) この前の日曜日、1月23日のこと
「オルフェイ・ドレンガー」についてのブログ記事を書きあげてから、伊丹に向け出発した。関西混声合唱フェスティバルがいたみホールで開催されるのだが、事前に会場を借りての練習が13時からある。近鉄とJRを乗り継いで、お昼を駅構内の立ち食いそばなどで済ませば十分間に合う時刻だった。ステージ衣装は黒の上下と「スタンド・カラー」といわれる開襟ではないシャツ。これらをスーツのソフトケースに詰め、楽譜や黒皮靴はショルダーバッグ(年初に三宮で買ったもの)に入れて出発だ。西大寺で近鉄奈良線に乗り換えるが、阪神三宮行きの快速急行だった。(これがポイント!) 近鉄・阪神の相互乗り入れで、乗ったのは阪神電車の車両。まだ新しく、気持がよい。横長のシートだが座席にくぼみがあり、一人ひとり座る位置が決まっている。近鉄や阪急の車両にはこれがないので、間を詰めれば7人座れる横長シートに6人しか座っていなかったりする。すごく体格の立派な人もいるが、込み合っているときは詰め合わせてなるべく多くの人が座れるようにしたいものだ。
さて、乗り込んだ駅では余裕をもって座れたが、膝の上にカバンを置き、衣装ケースは(いわゆる)網棚にのせた。次第に込み合ってきて、生駒トンネルをくぐる手前の駅では座席前に立つひとも多くなった。快速急行はそこから次の駅まで15分ほど停車しない。イヤホンを着け、前夜の練習を録音したICレコーダを再生し、ステージ本番に備える。2曲で8分間ほど、今回は全員暗譜だ。大丈夫、ときどき出そこなう個所も何とかクリアできそうだ。気付くと電車は減速し鶴橋駅に近づいてきた。この駅でJRに乗り換え、大阪環状線経由で大阪駅に出て、数年前に大事故を起こした宝塚線で伊丹駅に向かう予定だ。鶴橋駅ではJRの切符を購入し、近鉄の切符と重ねて自動改札を通るのだが、その改札の手前で「あっ」と気がついた。カバンを一つしか持っていない。衣装ケースは? JR切符を買う時に下に置いたのではない。電車の網棚に残したまま降りてしまったのだ。ガァ~ン! 電車を降りてから5分ぐらいは経過している。
慌てて駅長室を訪ね忘れ物を報告する。係りの人はすぐ難波駅に連絡してくれたのだが、既に列車は出ていて、次は阪神西九条駅でチェックすることになるという。2年前までなら近鉄奈良線の終点、難波駅で確認してすぐ戻ってくるんだけどなぁ… なんて思ってもしょうがない。ところが途中の西九条駅と尼崎駅で確認しても黒い衣装ケースは見つからなかったという報告が入った。ちゃんと車両位置は憶えていたはずなのだが… 誰かが持って降りて駅員に届けたかもしれないということで、停車したすべての駅に確認してもらったがダメだった。終着の三宮駅で再確認するという。
いよいよ気持ちが焦ってきた。最初は事前練習に少し遅れる程度と高を括っていたのだが、忘れ物が出てこないという最悪の事態を想定することになった。幸い貴重品やステージ靴は手元のカバンの中にある。黒の上下はデパートか洋服屋の略礼服コーナーで金さえ出せば入手できるとしても、問題は「スタンドカラーシャツ」。奈良の近鉄百貨店では「取り寄せになる」といわれ、結局、ネットショップで袖詰めまでしてもらって購入した。どうしようかと心配しているうちに「三宮駅で確認できた」と報告があった。嬉しいことに、荷物は梅田駅まで運んでくれるという。荷物と別れてから約1時間半後に阪神梅田の駅長室で再会できた。明るくきれいなオフィスで女性がやさしく応対してくれた。京阪電車(毎土曜日、丹波橋駅を利用)でもそうだが、最近は駅長室もガラス張りで明るい雰囲気だ。近鉄はどうかなぁ?? でも、鶴橋駅の駅員さん、お世話になりました。
忘れ物が見つかったとの報を受け、携帯メールで事前練習まえのマネージャーに「遅れる。最悪は本番会場で」との連絡を入れていたのだが、案外早く荷物を引き取り、30分ほど最終確認練習ができた。忘れ物の件はメンバー全員に知れ渡っていて、恥ずかしい思いをしたのだが、開き直って却ってリラックスできた。本番のステージも、会場の聴衆が少なかったのだが、緊張せず思い切り歌えた。それが良い結果を生んだのだと思う。3月に奈良で開催される「レディース・コーラス・フェスティバル」に招待されることになった。
終演後、地元の酒造会社「白雪」の酒蔵を改造したビア・ホールのようなところで打ち上げ会。おつまみは洋風だったが、ベルギー・ビールをグラス一杯飲んだ後(その前にお米から作ったビールが出てきた)日本酒を燗酒にしてオジサン連中で味わった。打ち上げに残ったのは半数ほどだったが、合唱好き、酒好きの仲間が集い、大いに盛り上がった。ショックだったのは、会計が終わって帰ろうとした時、壁際に置いていた例の衣装ケースをまた忘れて店を出ようとしたこと… !
また電車の網棚に忘れたんかいな。
自分はコンサート本番の時、楽器があるので家から黒の上下(礼服)を着て行く。黒い靴も履いて行く。荷物になるのがいやなのと(両手ともふさがるもんね)、着替えるのが面倒くさいので。
あと忘れ物はないけど、最近は明りのスイッチ(トイレとか)を切り忘れることが多いな。明りのスイッチ程度ならまだいいけど、これがガスコンロの火なんかだったら、大変だ。一人暮らしなので、そんなところが気がかり。
投稿情報: つのぶえ | 2011年1 月28日 (金) 20:57
僕は逆に本番前に気分を切り替えたいので、靴下まで着替えるようにしている。リハはジーンズにスニーカーとか。じつはステージ靴はアメリカのアウトレットで買ったイタリア製のBallyだ。今更、板張りの舞台以外では履けない…
体が楽器なので、そんなに荷物にならないんだけど、衣装を網棚に忘れてはなぁ…
今後、気をつけます!
投稿情報: inukshuk | 2011年1 月28日 (金) 23:29