図書館で借りた村上春樹の「風の歌を聴け」は案の定、足掛け2日で読み終えた。ベッドの上と移動中の電車の中で。大学生の「僕」が帰省した(芦屋・神戸あたりが舞台だ)夏休みに起こるエピソードを綴ったもの、、みたいな感じ。この小説では人は死なず、セックスシーンはない。「僕」が東京での学生生活を語った中で、「3番目に寝た女の子」がテニスコート脇の雑木林の中で首を吊って自殺した、と回想する場面はあるが、、、 彼女は仏文科の学生で、彼のペニスのことを「あなたのレゾン・デートゥル」と呼んだそうだ。しゃれている。
レコード店でアルバイトをしている「小指の一本欠けた女の子」とのストーリーが好きだ。出会いの設定がいい。曲折があって彼女の部屋で食事もするが、寝るシーンはなく、冬に帰省した時には彼女はもういない。(もう30年以上前の小説だ。ストーリーはさらに10年ほど前の出来事) 彼女は冷えた白ワインが好きみたいで、1Q84の「ふかえり」と同じだなぁ。ちなみに1Q84では、ドキドキするような性描写がある。
ところで、この小説の最初と最後の章、まん中あたり、そしてあとがきにも出てくるアメリカの「デレク・ハートフィールド」という作家は架空の存在だそうだ。お母さんが亡くなったあと、エンパイア・ステート・ビルから飛び降りて自殺した、となっているが村上春樹のでっち上げ。図書館で探してもハートフィールドの本は置いていないのでご注意を!
最近のコメント