ニューヨーク・タイムズの2011年11月10日版に "A Tokyo With Two Moons and Many More Puzzles" として書評が掲載されているようだ。ネットで検索したら次のページで出ていた。
Janet Maslin という女性の書評家だが、最初にプルーストの『失われた時を求めて』を持ち出している。ソニーとシェールの "The Beat Goes On" にこだわっているようだが、僕はこの曲をよく知らない。書評そのものもよく分からないところがあるなぁ。
ついでにネットで調べてみたらWSJでは "Rebel Ascendant" (隆盛をきわめる反逆者)としてSam Sacks氏による10月15日付の書評が出ている。http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203388804576617231169928302.html?KEYWORDS=haruki+murakami
こちらは夏目漱石や谷崎潤一郎を持ち出して村上春樹の「反日本文学」的な姿勢を取り上げている。日本文学研究者っぽい書評だ。
ワシントンポスト紙では10月20日付で Michael Dirda 氏が書いている。http://www.washingtonpost.com/entertainment/books/michael-dirda-reviews-1q84-by-haruki-murakami/2011/10/14/gIQAyyzwyL_story_1.html
最初に村上が今年のノーベル文学賞を逃したことなど彼の紹介から入っている。かなり好意的な見方をしているようだが、彼はこの1000ページ近くにもおよぶボリュームを3日間で読み終えたそうだ。
英国の Financial Times は David Pilling 氏による10月21日付の書評だ。http://www.ft.com/intl/cms/s/2/c783d22e-f667-11e0-86dc-00144feab49a.html#axzz1e1keOWHO
さすが英国人、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を持ち出し、青豆は1Q84年の世界に足を踏み入れてしまった、という線から解説している。
英訳は Jay Rubin と Philip Gabriel の二人によるものだが、青豆と天吾の章に分けて訳していったりしたのだろうか? 本の体裁はアメリカ版が1冊の分厚い本、イギリス版はオリジナルのBook1とBook2をまとめたものとBook3にあたるものとの2分冊になっているようだ。それにしても日本円に換算してイギリス版だと全巻で2千円ちょっと(※)。なんて安いのだろう。
(※)アマゾンUKでは通巻で新品が16.49ポンドで出ている。ただし「小売希望価格」は34.99ポンドのようです。アメリカでは30.50ドル。これも新品を半額程度で入手できます。日本みたいに再販制度がないからなぁ。アマゾンJPでも米国版が1,858円で出ていました。しかも送料無料! これじゃ買ってしまいそうになるぅ。(2011年11月20日加筆)
最近のコメント